「読んでないっ!読んでないよっ!!」

必死に否定する私。
それを照れ隠しだとわかっているこの男の子。

く〜っ!!すいませんね!読んでましたよ!

と、心の中では認めるが絶対に言ってやるもんかっ!


すると男の子はさっきのニヤニヤ顔はどこへやら、私のことをまるで愛おしい物でも見るような笑顔で見つめていた。

もっと生徒手帳を読んでいたことにツッコまれるかと思っていた私は拍子抜けしてしまった。


「...俺の事、わかりましたか?」

「...へ?」


何をいきなり言い出すのかと思えば。

この男の子は私が自分の生徒手帳を読んでいたことに喜んでいるらしい。


「先輩に俺の事もっと知って欲しくて、わざと先輩のブレザーのポケットに俺の生徒手帳入れちゃいました」

出た!てへぺろ!!