また先生はこんなことも言っていた。


「好きなものほど夢中になれる、時間も忘れて。

だから好きなものに対しては、もっと時間が欲しいとさえ思う。

勉強も同じように、勉強の仕方一つで楽しくなるはず。

机に向かって問題を解くだけが勉強じゃない。

自分に合ったスタイルを見つけるためにも、みんなの考えや意見を聞きたい。

だから自由欄を活用し欲していの!」


オレの方にもまた、チラリと視線を送った。


それからは、ある時にはコンピューター室に移動し、前に先生が言っていた動画を視聴させてくれたり……


それは、家にパソコンがない、スマホや携帯を持っていない人のための配慮だった。

あと、「これは校則に反してないから!」とマンガで読める古典なんかも持ち込んで来た。

つまらない授業からの回避策がバンバンと打ち出された。


親身になって生徒に寄り添って、分からないことにはとことん付き合ってくれた。

自由欄の反響もよく、自由欄大活躍ってとこか。

その甲斐あって、うちのクラスと先生はどんどん距離を縮めて行った。