放課後、校門を出たオレのあとを、北嶋が追いかけて来た。


「一条!さっきは悪かったな、すまん」


「……!?あぁ、オレの方こそ言い過ぎた。ごめん」


「なんつっか、結果は分かってたんだけど、実際起きると結構胸をえぐられるもんだな」


「北嶋……」


「辛れぇわ。だってお前しか見てねぇんだもん、完敗だわ。

で?お前は先生とどうなってんの?」


「う、うん。つき合ってる。黙っててすまん」


「そっか。保健室にいた時、早川先生がお前の顔に触れた時、何となく分かったよ。

いや、それ以前にお前の態度も変だったしな」


オレは苦笑いした。


「つき合ってる事に関しては別に俺は気にならない。

お前らの事だし、早川先生だって大人だし、ちゃんと考えあって行動すると思ってる。

ただ、周りの目は誤魔化せないぞ?どんな場面で気付くか、どんな仕草で見抜くか、

微妙な、些細なアイコンタクトでも分かるヤツには分かるから、気をつけろよ!」


「あぁ」


北嶋が言う以上に、優れた観察力を持ち、目ざとい奴がいた。

そして、この件はこの日で終わるとオレ達は思っていた——————