先生と手を繋ぐのは遠出をした時にだけ許される。

その手から人の温もりを感じた時、独りじゃないと改めて思う。

これもとても特別だから、ドキドキした。

オレが一方的に握るのではなく、確実に先生も握り返してくれる事が嬉しかった。


オレしか知らない先生の私服姿、風の悪戯で先生の髪が揺れる、オレに笑い返してくれる笑顔、

先生との距離を縮めてからの、先生の表情一つ一つは、前とは比べ物にならないほどときめいた。


中でも、先生を呼んでも振り向いてくれない事にふて腐れていると、

いきなりオレの頬にキスをした先生。

これはときめく以上に、もう体が興奮した。


キスをするまでに先生はどんな表情でオレを見てたの?

オレの機嫌が直ると思った?

そう先生の思惑通りだよ。

何度も言ってしまいたくなるほど、先生、好きだ!どうしようもなく!!



制限された中で、窮屈さを感じながらも、先生との距離は急速に縮まって行った。