ん……!?


「お前当てられてんの!ご指名!」

先生の方を指差す北嶋。


「えっ!?」


完全に意識が戻ったオレ。

すると先生がこっちを見てる。

オレは突然の事に動揺した。

周りはくすくす小声で笑う。


「一条徹君、そこ現代語訳して?」


「フルネームかよ~」オレはつぶやき、教科書をめくった。

「わっかりませ~ん」と黒板見据えて答えた。


「どこが分からない?」


どこがって、どこやってるのも分かんねぇのに、

それに次誰かを指名してくれりゃぁいいのに、踏み込んでくる先生。

それでなくともフルネームで呼ばれた恥ずかしさと、

さっきまで先生との恋愛シュミレーションしてた自分に動揺し?

更に、この周りの視線が針でも刺すかのようにチクチクと痛い。

早くこの状態から逃れたいのに、オレにそこまで時間割きますか!?



色んな事を思いながらオレは教科書と睨めっこ。

そんな様子見て周りはおもしろがって余計笑う。