門の前ではデカい声出して、張り切って誰かが立っていた。

その教師の顔を認識した瞬間、



げっ!?南かよーっ!


もはや先生という敬称を付けたくないオレ。



「おはようございます!早川先生。おはよう~一条!」


上機嫌で挨拶して来た南先生。


そりゃそうだろ!朝から愛しの瞳ちゃんに会えたんだからな!



「おはようございます!今日は当番ですか?」


立ち止まった先生。


どうせ二人にしか分からない話でもおっぱじめるんだろ!?

邪魔者は消えてやるよ!!なんて思いながら、


「おはよざ~ス!」


とりあえず挨拶だけはして、二人の横をすり抜け、オレはそのまま教室に向かった。


「あ!一条く……?」


誰かが呼び止めたような気がしたけど、振り向かなかった。



どんどん心が醜くなって行く自分が分かる。

嫉妬ってそんなものなのか?

だったら早くそんな感情捨ててしまいたい!

辛すぎる!酷すぎる!

オレも先生って立場だったら、いや、大人だったら迷いもなく先生を抱きしめてる!はず……

オレはただ、憧れだけでよかったのに。

初めて先生が来た時みたいなドキドキだけでよかったのに。

どうして気持ちだけがその先を越えてしまったんだろう。

まだこんなにも未熟なのに。

何で、何で?好きになったのが先生!あなたなんだろう。

クソっ!なんか泣けてきた。

そんな気分の上に、更に不幸は続く。



個人面談が始まる——————