そんな風に見ていてくれてたなんて……

ただ、

きっとこの人はオレだけじゃなく、

他の生徒の良さもそうやって見つけているんだろうな。

そう思うと、オレは先生の中では生徒の中の一人でしかない存在なんだろうな。

やっぱ落ち込む。淋しい。


ただ不思議と、先生の言葉はオレの心に嫌味なく浸透して来た。

言葉一つ一つが滑らかに伝わってくる。

やっぱり国語の先生だけあって、言葉を大切にする人なんだろうか?

好きって欲目もあるんだろうけど、感情豊かな人だと思える。

先生がこんなに話してくれる人だとも思ってなかったし。

意外と心開いてくれてるって感じ!?


でも勉強を始めた動機は不純だ。


先生を振り向かせたくて——————


なんて言ったら、先生はなんて思うかな。