「女子ってそう言うの弱いのよねぇ~」
「別に何も意識してないし!アイツとは、梁瀬はただの幼馴染だし……」
オレはからかわれているようで、少しイラっとして答えた。
「そうなの?てっきり二人付き合ってるのかと思ってた~青春だな~って」
感が外れてびっくりしたように言う先生。
「だから、違うって!オレは何とも思ってないし!」
何だかムキになって返したオレ。
「あらそうかしら?少なくとも女の子の方はそうじゃないかもよ?」
先生はオレの反応を楽しんでるかのようだった。
「だから~、はぁ~」
違うのに……オレは先生を好——————
「一条君、あなたは異性だけに優しいんじゃない。
両手いっぱいに荷物抱えた男子生徒に教室に入って来る際、さりげなく扉開けてあげたり、
また掃除の時間には、ゴミ箱重そうに持ってる子を見たら、手伝ってあげたり、
人を選んで行動してない。それがあなたの良さ!」
最後のセリフだけが胸を貫いた。