「一条君、今頃ご飯?」


コンビニを出てから少し先生と歩いた。


「今日は食べるタイミングを失ったんだ。いつもじゃない。」


「そうなの?夜遅いんだから、ちゃんと真っ直ぐ帰りなさいよ?

何なら先生が家まで送ってってあげようか?」


「子供じゃないんだから~それにすぐ近くだし大丈夫だよ。

先生こそ気を付けて帰りなよ?」


「ありがと。私は大丈夫よ。

あ!そうだ!一条君あなたほんとに絵がうまいのね?

あの月下美人本物みたいだった。感動したわ~。」


「あぁ~、あれ、初めて先生を見た時のイメージだよ」


「……」


先生は驚いて言葉も出ないようだった。



「あ!あの詩は関係ないから!!」


あの詩もワンセットなら先生に告ってるも同然!

何を思って言ってしまったのか、自分で自分の言動に驚く。


「そうなの?でも何だか嬉しい~。

あんな綺麗花をイメージしてくれるなんて。汚さないようにしないとね!」


先生は穏やかに笑って返してくれた。

オレはその言葉にうなづいただけ。