「タイプ!?そうだな~。

本来タイプなんてないのかもね?

誰かさんが言ってたみたいに、好きになった人がタイプだもん!

でも強いて言うなら、さり気ない優しさを持ってる人かな?

気を引くために、優しくするってほんとキモイし。

好きな子だけに優しくするって言うのも無理!


ただ?年上の女性を振り向かせるには相当な魅力が必要じゃない?

年上の人がさ?子供相手にするわけないし。余裕のある大人の男?

ま、高校生にして起業家で前途有望なら話は別かもしれいけどさ。

そう言うのって稀じゃん?

今の立場捨ててまでも、その人には価値がある!くらいなものがないとね~」


真面目に答えて、黒板の上に飾ってある時計を見ながら、自分の席に戻って行った梁瀬。


オレと北嶋は返す言葉がないまま梁瀬の背中を見送った。


「ならどうやったら、その好きな人の好きなタイプになれるんだ?」


二人して同じような事を思っていたと思う。


何だか現実を突き付けられてるような気がして、胸にズンと重くのしかかった。

そして梁瀬はオレの心の中を見透かしているようだった。