「まぁな」


曖昧なオレの返事に、


「本気になったら辛れぇぞ?

年上の女性を振り向かせるって、はぁ~。

誰かを振り向かせるって難しいよな?

もしお前が本気なら、ボケ~っとしてる暇ねぇんじゃねぇの?

何かアクション起こさないと、南先生に持ってかれんぞ!!」


いつになく本気で北嶋が言うから、変に気持ちが焦る。



「でも相手は先生だし。

振り向かせたくても、どうしていいか分からない。

ま、先生とどうこうなろうとか本気で思ってねぇし!

ただ、雰囲気がいいなぁって思ってるだけだ」


そう言ったものの、本心とは違う。

どうでもよかったらここまで苦しんだりしない。


「でもあの二人見たら、何かモヤモヤするだろ?

それって立派に相手を好きだって証拠だぞ!」


ズバリ北嶋に言われた。


あまりはっきり言わないでくれ!気持ちを認めたら、立っていられなくなる。

そう言うお前だって、振り向かせたい誰かがいるんだろう……?

と思いつつ、

二人して窓の外を、きっと虚ろな目をしながら?見てた。