休憩を挟んで改めて、梁瀬と会話らしい会話をした。


「元気だった?」と梁瀬。


「うん、まぁな。そう言う梁瀬はどうなんだ?もうすっかり元気になったか?」梁瀬の顔を見ながらオレは言った。


「知ってるんだ」


「まぁな」


「もう相手の事は、頭に浮かばなくなったし、それよりも誰かを傷付けてた事に、今になって苦しんでる。

周りなんて見えなかったから……私の事より、徹君は?何か何となく沈んでるように見える。

今は仕事に没頭して誤魔化してる感じ!?」


「どうかな」


「先生の事心配?不安とかなかった?先生と南っちが結婚してしまうかもとか考えなかった?」


「……もしそうなってしまったんなら、オレと早川先生はそれまでだったんだよ」


「それだけ!?そんな風にしか思ってなかったの!?」


そんな訳ない!早川先生の事はずっと頭から離れず、物凄く恋しかった!何かをしていて手が止まった時、真っ先に思い出すのは早川先生だった。

あの優しい手も、声も唇も、忘れるわけがない!!

オレは叫びそうになった気持ちを抑えた。

そんな溢れ出す思いを一番に伝えたかったのは早川先生だから。