その放課後の事、一人テラスでオレは本を読んだいたら、オリヴィアがやって来た。
オレの横に座ると、オレの頬に軽く触れ、
「見直したわ。素敵だった。あなたは真の強さを持っているのね?」
そう言うと、オレは彼女の方に振り向いた。
そしたら、
オリヴィアはオレにキスをした。
「あなたが好きよ」
真剣な眼差しでオリヴィアは言った。
「……」
何も言えずオレは俯いた。
どうしてオレの事を放っておいてくれなかったんだろう?
それはオレの事を思っていてくれてたからなんだね。
胸の中でそう思いながら、今までのオリヴィアのオレに対する接し方を思い出していた。
何もかもなかったように出来たら、オリヴィア、君を抱き締められるのに……
「ありがとう、オリヴィア。でもオレ、好きな人がいるんだ。
その人を傷付けてオレは、その人をたった一人日本に残して、アメリカに逃げた。
いや、二度と彼女を手放さないためにアメリカに来たんだ。
だからゴメン。君の気持ちを受け取れない」
オリヴィアは、俯いて軽く笑うと、
「よほど素敵な人なのね?妬けちゃうわ。
だったら私もその人に負けないくらい、ううん、それ以上の素敵な女性になって、私を振った事後悔させてあげるわ」
そう言い切った。清々しいほどに。
「オリヴィア、君は、寛大で素敵な女性だ。
こんな情けないオレを好きだと言ってくれたんだから。
そして人の本質を見抜ける人だと思う。だから将来、ホントに大きなものを掴むと思うよ」
彼女を見つめながら、胸の中でオレは、確信に近い思いで呟いた。