あたしは少女マンガも読むから、鋭くはないけど、鈍くもない。
……普通は好きでもない人を抱きしめないよね?
安藤、何で……?
「お前はアイツが好きなのか……?」
『いつかわかる』
安藤は気づいてたんだね。
ごめん安藤、あたしってやっぱり最低だ。
あたしはきっとまだ……久我くんの気持ちを振り切れてない。
あたしは縦に頷く。
「俺はそれでも清家のことが……」
これ以上聞きたくない……!
安藤を傷つけたくない。
久我くんに迷惑かけられない。
「ごめん……安藤」
「あ、おい!」
安藤は酷く傷ついた顔をして、あたしを呼び止めた。
あたしは耐えられずに、涙を流し始めた。
「……っ」
「ごめん、傷つけて」