すると、足音が聞こえる。


テンポが速いから、走ってるのかな。



なんて呑気に考えていると、


その足音の正体は



「……!」


ずっとクリスマスを過ごしたいって思って


でも一番会いたくない人だった。



何で、久我くんが……。


安藤がすかさずあたしの前に立って、久我くんを睨みつける。


あたしはどんな態度をとっていいのかわからなかったから、全力疾走で久我くんから離れるしかできなかった。



「はぁ、はぁ……」



気づけば、駅前まで来てた。


やべ、安藤置いてきちゃった。



「清家!」


「ごめん安藤……」



すると、突然。



安藤は勢いよくあたしを抱きしめた。




え───



これは一体何……?



放心のあまり、抵抗もできずに固まってしまった。




「……安藤?」