アニメズストアに着くと、まずは目当てのグッズコーナー。


「ねえ安藤! 期間限定のイケメン学園のグッズだ!」



イケメン学園とは、レオ君が登場するゲームの略称で、


『イケメン学園☆王子様との運命の恋』


というのが本当のタイトルだ。


どこを略せばいいのか分からないけど、ファンそれぞれで呼び方が変わる。


あたしはイケメン学園って言ってるけど、他のファンは間の☆(スター)をとって"イケスタ"なんて言ってるし。


ま、それはどーでもいいことなんだけど。



「わー、400円か。レオ君出るかな」


近くにある缶バッジを手にとって、何が入っているか確認する。


レオ君はいるみたいだし、去年のハロウィンの絵柄だから欲しいけど、11分の1の確率だなんて、諦めた方が早そう。


学生はお金なんてないから、確実に手に入るものしか買えないんだ。



「……お前が言ってたレオ君ってコイツか」


「うん! カッコいいでしょ?」


「まー……二次元だしな」



なっ、もうちょっとくらい夢見させてよ。


二次元だけど……カッコいいじゃん!



「ってかさ、見た目は置いといて、そのレオ君さ、バスケ部で爽やかでイケメンって高峯に似てない?」


「それは一時期思ったけど……」