「あら、誰と行くの?」
「安藤っていう人なんだけど。やば、ろそろ時間だからいってくるねー」
「はーい、いってらっしゃい!
これお金ね。お誕生日おめでとう」
「ありがとう!
じゃ、行ってきまーす!!」
待ち合わせまで後20分。
急がなきゃ。
「安藤!」
待ち合わせの場所まで行くと、安藤が既にそこにいた。
「おう。メリークリスマス」
「め、メリークリスマス!」
クリスマスは久我くんと行きたかったけど……ってまた、久我くんのこと考えちゃう!
頭の中で久我くんを追い払って、レオ君が頭の中で浮かんだら、安藤の隣に行って歩き始めた。
アニメズストアへ向かって歩く途中で、あることに気づく。
あたしの周りにいるのは、家族連れやカップルしかいないことに。
……カップル、恋人。
今日はクリスマスイブだ。
やっぱり、恋人同士でも行きたくなるよね。
っていうことは、
これってデートなのか……?
頭を悩ませながら歩くあたしを不思議そうに見つめる安藤に気づかずに、アニメズストアに入ったのだ。