そして、あたしは大事なことをひとつ忘れてた。
『メリークリスマス!
部活もないし、大好きなお前とクリスマス過ごしたかったんだ。
……ほら、手かして。せっかくだから、繋ご?』
冬休みに入って、レオ君のイベントが始まり、レオ君のクリスマスボイスを聞いたのが間違いだった。
「……うぅ」
この声……レオ君の声はもともと久我くんと似ていたじゃん。
久我くんは今何してるんだろう……。
久我くんはあたしと関わらなくなって清々したかな?
レオ君の声を聞いてたら、久我くんのことを思い出して。
泣かずにはいられなかった。
……どれだけ未練がましいのよ。
今すぐこの気持ちを消したい。
それで、レオ君が理想とか言ってたオタク全盛期に戻りたい。
「……はは、目が真っ赤」
少し落ち着いて、洗面所に行くとこのザマだ。
明日、目が腫れるんだろうな。
「……レオ君、どうしたらいいのかな」
部屋のポスターの中で笑ってるレオ君に問いかけて、しばらく考えてたら深い眠りに落ちた。