「おめでとう!」
「ありがと。それでさスキルがこれなんだけど───」
やっぱりこうして話すと安藤は普通の男子。
なっちゃんは『ハイスペック男子』で安藤は人気だって言ってたけど……。
ゲームもできるのがハイスペック男子なのか、とあたしは改めて感心した。
「あのさ清家、最近元気なくない?」
ゲームの話をしてたのに突然、安藤にそんなこと聞かれ、どんな顔すればいいのかわからなくなる。
「元気ない……って、そんなわけないじゃん!
だって今度レオ君のイベントくるんだよ!
すっごく楽しみで元気なんだから!」
そう言っても、安藤は表情が変わらない。
「……大丈夫だよ、安藤」
安藤が何を言いたいのは何となく伝わってきた。
久我くんのことでしょ?
「お前は、そんなに久我っていうやつがいいのか?」
「……何それ。ってゆーかこれ以上、あたしの失恋掘り返さないでくれる?」
「……ごめん」
「うん、わかればよろしい」
そうだよ、失恋したんだから。
これ以上、久我くんのこと考えてちゃ未練たらしいじゃない。