「うん、アルはこっちに居るはずだ。
付いてきて。」

「うん♪」


僕とミルカは一つしかない扉から外に出た。

部屋の外は一本道になっていて、通路の左右それぞれに等間隔で扉が並んでいた。


「な・何なの…この扉の数は…この中からアー君が居る部屋を見つけ出さなきゃいけないの?」


ミルカが落ち込んでつぶやいた。
しかし…

「大丈夫だよ。
アルの居る部屋は分かっているから。」

ハクアはそう言うと歩きだし、通路の左側にある、手前から数えて10番目の扉を開けた…。


部屋の中は殺風景という言葉がふさわしかった。窓一つ、物一つ無かった…目の前に居るアル以外には…。

アルの周囲には光が展開しており、その中のアルは気を失っているようだった。


そのアルの姿に、罠かもしれないという気持ちすら押さえられなくなったのか、ミルカがアルに向かって飛び出した!


「アー君!アー君ってば、起きてよ!!」

ミルカの呼び掛けにも、アルは全く何の反応も示さなかった。