その日の放課後。
皆と学校帰りにカラオケに寄って、その後も少し遊んでから家に帰ってきた。どうせまっすぐ帰って来ても家には誰も居ないし。
自分の部屋へと続く階段を上りながらふと携帯を見ると、新着メールが3件。

画面を開くと、ひとつは今まで遊んでいた友達のうちの一人から、もうひとつは生け贄ゲーム、最後のひとつは・・・

「心菜(ココナ)・・・ちゃん?」

あたしの従姉妹で、隣町に住んでいる大学生、柊(ヒイラギ)心菜ちゃん。
小さい時から仲が良いしよく家に遊びに行ったりもするけれど、メールとかメッセージのやりとりだけはほとんど・・・というかやったことがない。
一応、アドレス交換はしているんだけれどね。

そんな心菜ちゃんからメールを貰うのは初めてだったから、少しわくわくしながら画面をタップする。

『文ちゃん、元気?
最近全然会えなかったから、なんとなく連絡してみたよ。
それでね、今回わざわざメールを使ったのにも理由があって、電話じゃちょっと話しにくい事なんだ。
・・・という訳で、今日、それか近いうちに会えないかな?

連絡待ってるね』

壁掛けの時計を見上げると、針は午後六時半を指していた。
多分だけれど今日も親は仕事で遅くなるだろうから、心菜ちゃんの家に行ってるうちに帰ってきていた、という事は無いと思う。

もし早く帰ってきても、心菜ちゃんの家に居る、って連絡すれば大体わかってもらえるから、あたしは早速そのメールに返信する。
「ええっと、良ければ今からでもいいかな?他にあたしは明日と日曜が空いてるよ。
・・・で、送信っと!」

送信ボタンを押すと、あたしは制服のままベッドにダイブした。この間にぼーっとしながら色々な事を考えるのが好きだから、最近は家に帰ると必ずと言っていいほどやる癖みたいなものになってきてる。