『贄!?そんなの絶対滝本梨々に決まってるでしょ!ね、文(アヤ)?』

『文が今まで受けたいじめの事を考えたら、あいつらを贄にするべきだよ!』

『どうせ1回だけだろうし、ここは文の好きなようにすればいいんじゃない?私は文の選択に任せるよ』
大量に送られてきたメールとメッセージに、急いで返事を返していく。


・・・・・・ふと思ったけれど、メッセージ送るなら個別じゃなくてグループの方がいいんじゃないのこれ。
・・・というかよく見たら連絡してきたの皆グループメンバーじゃん。

そう考えたあたしは最後に来たメールの返信を終えてメール画面を閉じると、メッセージアプリのグループチャットを開いた。
その方が、それぞれの意見を一度に見ることが出来るし、返信も一回で済むから。

読み込みが終わって画面が表示されるとすぐ、あたしはメッセージを打ち込み始めた。


『ねぇ。Opfer-Spielってなんなのか、皆わかる?』

ふとその疑問が浮かんできたから送ってみたけれど、返ってきたのは『わかんない』『たぶん英語とか・・・かな?ごめんうちには読めないわ』『ごめん、自分も読めない。ちょっと検索かけてみる』というメッセージばっかり。
やっぱり皆もわからないか・・・と思っている間にも、他のメンバーからの返信も表示されていく。その内の一つにあたしの目は釘付けになった。

『えっと、確かOpferは生け贄で、Spielはゲーム。だから生け贄ゲームって意味になるんじゃないかな。あ、ちなみにどっちもドイツ語だよ』

名前を見ると、さっきあたしがお礼を言った女子生徒・・・浜中瑠菜(ハマナカ ルナ)からだった。そういえば、瑠菜はドイツ留学の経験があるって、前に話してたっけ。
でも、ゲームはともかく何で生け贄なんて単語知ってるんだろう・・・?