早速鞄から携帯を取り出して通知を見ると、クラスの友達からいくつかメッセージが届いていた。
きっと今日も夜中まで雑談するんだろうな、と思いながらも何の話題だろう?と気になって通知をタップし、メッセージ一覧を表示する。

最後に更新されたのは2時間前で、送信者は瑠菜だった。
『どうにかしてあと5日で梨々を贄にしなきゃ私達も死ぬんでしょ?・・・文は何かいい案、無い?』


あたし達も、死ぬ・・・。

・・・って、ちょっと待ってどういうこと?
そんなのどうやって知ったの?

慌てて過去ログを読むと、どれも似たような内容が書かれていた。
・・・と言っても皆不安を綴っているだけで、解決方法とかは誰も考案していない。


あと5日・・・。
それまでに誰かを贄にしなければ、あたし達にも連帯責任的な感じで死が訪れる・・・って解釈で良いのかな?
「というか、なんで皆それを知ってるのよ。こっちには何も来てないのにさ」

そこまで呟いて、あたしは思い出した。心菜ちゃんの家に行く前にそれらしいメールが来ていた事を。
もしかしたらと思って受信フォルダを探すと、予想通りまだ未開封のメールを見つけた。


それを読んであたしが得た情報は、指定の教室が生物学室という事だけ。
あとは皆から届いたメールに書かれていたのと同じ内容だった。
まぁこれを見てからメッセージを打ったんだもん、その辺りは仕方が無いとして・・・。


「――生物学室って、どこ?」

必死に頭の中を探るが、やっぱりどこにあるか分からない。
というより今まで存在すら知らなかったから、出てこないのは当たり前なんだけれど。

「学校のどこかにあるって事はわかるんだよなー。最初のメールには指定した教室に閉じ込めるって書いてあったし」
そう言いながら、ゴロンと寝返りを打つ。