――数分後、紗織さんの言った事を理解したあたしは絶句した。

まさか、自分で自分の首を絞めるとは・・・。
これからは先にインターネットの方でも調べておこう、と内心で誓っているあたしの前で「・・・そろそろ話してくれる気になった?」と嬉しそうに微笑んでいる心菜ちゃんが首をかしげる。


その笑顔に負けたあたしは、二人に全部話す事を決めた。

あのメールが来た時から、心菜ちゃんの家に来るまで。
まぁ滝本達にいじめられている事とか、いっちーとあったよくわからない出来事は省いたから、完全に洗いざらいとは言えないんだけれど。

「・・・で、今ここに居るの」
最後の言葉を紡ぐと、もうすっかり冷めてしまった紅茶を一口飲んだ。

二人はというと、心菜ちゃんは何か考え事をしてるみたいで、紗織さんは・・・あれ、知らない間に姿が消えている。

キョロキョロと辺りを見回していると、それに気がついた心菜ちゃんが「紗織ちゃんならね、あそこ」と言いながら指差したのは・・・トイレ?

何でだろう、体調不良とか?あ、まさか紅茶の飲みすぎ・・・?

心配だと思っていたら、水を流す音が耳に入ってきた。
そしてその直後に開いたドアから、満面の笑顔の紗織さんが出てくる。
「はー、スッキリした!ごめんね心菜、急にトイレ借りちゃって」

「ううん、別にいいよ。それにしても一体何回目なの?二・日・酔・い・は」

そっか、二日酔いだったのか。


――って、ちょっと待って。
紗織さんは心菜ちゃんと同い年の19歳、それか18歳だから、お酒ってまだ飲めないはず・・・だよね?

話についていけなくて混乱しているあたしに、紗織さんが「あれ、文ちゃんには話してなかったっけ?」と訊ねてきた。