「んー、なんて言えばいいのかな・・・。イベント、って言える程楽しいものでも無いんだよね。ゲーム、ってタイトルに付いてるのに」

心菜ちゃんのその答えに、そうなの?と訪ねる。

「うん、そう。・・・『生け贄ゲーム』って話、聞いたことない?」

心菜ちゃんのその言葉に、思わず小さな声を上げた。
まさか本当にあたしの考えと同じだったなんて、思ってもいなかったから。

「え、まさかと思うけれど・・・文ちゃんも生け贄ゲームの事、知ってるの・・・?」

心菜ちゃんのその問いかけに少し悩んだけれど、あたしは頷く。
そのやりとりを見ていた紗織さんが、はぁと小さなため息をついた。
「まさか本当に知ってるとはね・・・。ただの七不思議とか都市伝説って位のマイナーな話だと思ってたのに」

そう言った紗織さんは勢いよく紅茶を飲み干すと、空のカップを隣に座っている心菜ちゃんの方に差し出す。
それを見た心菜ちゃんは「そろそろご飯が炊ける頃だからその辺りでやめておきなさいな」と苦笑い。


「――あっ、そうだ。せっかくだから、文ちゃんも夕食食べていかない?」

そう訪ねられ、あたしは素直に頷く。
コンビニ弁当とかインスタント食品よりも、出来立て作り立てのちゃんとした夕飯の方が絶対にいい。

後で心菜ちゃんに料理のコツとか教えて貰おうかな・・・。
あたしが作ると何故か美味しく出来ないんだよね。


「えっと、それで・・・どこまで知ってるの?その話」
心菜ちゃんにそう訊かれて、あたしはメールの内容を思い出す。
確か、クラスメイト全員で生け贄を決めるみたいなことが書いてあって・・・あ、そういえばさっきもメール届いてたっけ。
・・・まぁ後でもいいか。

「『Opfer-Spiel』って題名のメールが届いて、そのメールには生け贄を決めるっていうのと、他にルール説明が書いてあるの。後は知らない」