パソコンの電源をつける。そして、Wi-Fiのネットワーク、「computer-room」を押す。
パスワードの入力画面を前に、私は血の滲んだ両手を合わせた。
「ああ、神様。もしいるなら、どうか私の願いを叶えてください。」
蚊の鳴くような小さく限定された声で呟き、スマホのメモ帳にメモしたパスワードを打ち込んだ。
間違いがないか、確認をして、人差し指に想いを乗せてエンターキー。
「接続中」の表示。
そして、現れるパソコンの画面の隅に打ち寄せる白波。
「フッ、勝った。」
さっきより気持ち声量を上げて呟いた。