ようやく諦めて、店へと帰ろうとした、その瞬間。




ドカンッ という大きくて不吉な音がビルの中から聞こえた。私は思わずびっくりしてビルに背を向けて縮こまる。





よく、ドラマとかで聞く爆発のような音…






その途端、中から悲鳴のような声と共に外に逃げてくる、恐らくLIVEに来たであろう人々。



当然煙のようなものも見えた。




私の周りはとんでもない量の人混みになり、立っていることすらままならないほど。









『えっ…え…な、何があったの…!?』





そんな私の小さな悲鳴もかき消されてしまうほどの辺りの喧騒。









これはただ事じゃない、ここから逃げようと私の頭が判断した時にはもう既に遅かった。






その瞬間、私の真後ろからさっきの「ドカンッ」というような音が聞こえて──なんだか、身体が宙に浮いたような気がした。





身体中がとてつもなく痛くて。私はそのまま地面に叩きつけられたんだと思う。