と、言うことは。





はい。私が買って来ればいいんですね。





私は彼が言いたい言葉を即座に悟った。





店長にはこういうちゃっかりした所がある。





どうせ店長はこの後も店を離れられないだろうし、もう一人いたバイト君もお昼までだから既に帰っちゃってるし。





仕方ないなぁとこっそりため息を吐きつつ、





『わかりましたよ。私がちょっとそこまで行って買ってきます。和菓子でいいんですよね??』




と店長に提案した途端、彼の顔はぱぁっと輝いた。






「ホントに!?じゃあ俺、澪ちゃんに頼んじゃおっかな~!これ、お代ね~♪」






わかりやすっ。






じとりと冷たい目を向ける私には目もくれず、掌の上にお札を数枚置くと、またすぐに電話へと戻っていった。





私は再度大きなため息を吐くと、結んでいた髪の毛を解き、出かける準備を始めたのであった。