Side  結愛



『結愛は、ほんとは中谷君が好きなんだね。』



茉莉が放った一言が、頭の中にこだまする。



  な・か・た・に・く・ん・が・す・き ?



「ごめん。ちょっと何言ってるかわかんない。」


そんなのあり得ない!

私が好きなのは、龍。

それは今も変わらない。



「だって、嫌じゃなかったんでしょ?

それって、好きだからじゃないの?」


「・・・。」


  嫌じゃない=好き 


私の頭に一つの式が浮かぶ。


「そんなわけあるかぁぁぁぁーーーーー!!!!」


バーストした私の頭は、大声でそう叫んだのだった。