すると凛くんは、眉間にシワを寄せて不機嫌そうにする。
「お前、なに瑛斗のこと名前で呼んでんだよ」
「なんかつられちゃって……」
「凛、男の嫉妬は見苦しいぞ」
凛くんの肩を叩く岸本くん。
けれどすぐに振り払って「うるせーな」と睨んでいた。
「お前が花野井に手出さないか心配なんだよ」
「流石の俺も親友の彼女取ったりしないから!今は2人のこと、本当に祝福してるよ」
「岸本くん……ありがとう……」
「まぁ、凛に飽きたらいつでも俺のとこ来ていいけど。ね、“静香ちゃん”」
不適に笑った岸本くんの影がこちらに落ちてきたと思ったら、考える間も無く頬にキスをされていた。
何が起きたのかわからず放心状態。
岸本くんに掴み掛かる勢いで凛くんが怒鳴っている姿を見て、ようやく状況を飲み込んだ。