「岸本くん、おはよう!」

「おはよ、花野井ちゃん。ついでに凛も」


いつも通りの爽やかな笑顔。

岸本くんの笑顔ってなんだか安心する。


「“ついでに”ってなんだよ。邪魔でもしに来たのか」

「クラスメイトに挨拶しに来ただけだだよ。そんな警戒しないでほしいなぁ。ね、花野井ちゃん」


「え、私?」

「凛に言ってやってよ。瑛斗くんは大切な“トモダチ”だって」


話を振られると思ってなかったから油断してた。

えーっと、とりあえず言っておけばいいのかな。


「瑛斗くんは大切な友達、だよ?」


流されるがまま、台詞をなぞるように口にした。