『───あの性格最悪な感じ、私は結構好きなんだから悪く言わないでよね!!』


花野井の声が風のように俺の心を吹き抜けた。


………何言ってんだ、あいつ。


バカじゃねーの。

俺のことなにも知らないくせに、適当なこと言うなよ。


花野井のそういうところが……………眩しくて仕方ないんだよ。


いつだって俺は傷つける側の人間で、誰かに守ってもらえるような価値など無に等しい。


だからさ。そんな必死にならなくたっていいんだよ。

余計なことに首突っ込んでかき混ぜたって得るものなんて無いんだから。


これ以上は、もう────。


いつか恋になるとわかっていた。

むしろ、もう好きだったかもしれない。


いつの間にか花野井を目で追ってる自分に気づいていたから。


笑いかけてくれると嬉しくて、他の男といると腹が立って。


花野井となら昔の傷も忘れられる。

そう思えるほど、惹かれていた。