「きっと、傷つかない恋なんてないんだよ。みんな悩んで苦しんで必死に藻がいて………そうやって欲しいものに精一杯手を伸ばしてるんだよ!」


綺麗事なんか言うつもりはない。

私の言ってることが正しいとも思ってない。


ただ、今だけは─────。


「私のこと、ちゃんと見て」


わかってよ。お願いだから。

心の中で何度も唱えて祈るように凛くんを見つめていた。


「俺は……………」


凛くんは何かを言いかけていたのに、途中で喋るのをやめてしまった。

絡み合った視線にドキッと胸が高鳴る。


「そこでちょっと待ってろ」

「えっ」