「凛の側にいたらファンの子たちに何されるかわかんないよ?」

「はい。それはまぁ、すごかったですよ」


「もう手出されてたんだ。可哀想だね」

「えっと……私は別に、自分のこと可哀想だとは思ってないです」


もちろん辛くなかったわけじゃない。

最近は落ち着いてきたものの、正直心が折れかけるくらいにはしんどかった。


だけど私には、凛くんの側にいられない方がよっぽど苦しかったから、諦めることを拒んだだけ。


「どうしてそう思えるの」


「だって、仕方ないじゃないですか。凛くんすっごく人気なんだもん。ファンの子たちの気持ち………わからないわけではないので」


これからも同じことの繰り返しなんだと思う。

だからこそ、思い詰めて泣いてる暇なんてないと気がついた。