────“今後花野井に手出すなよ”


その言葉の通り、私がファンの子たちから嫌がらせを受けることはなくなっていた。

クラスメイトの人たちも普通に接してくれるようになったし、いつも通りの日常が戻っている…………はずだった。


あれから数日経ったけれど、未だに私は凛くんと話せていない。


朝は始業時間の予鈴が鳴ってから登校するし、中休みの度にどこかへ行ってしまう。

6時間目はサボってばかりだから、放課後の校内で姿を見ることもなくなった。


朝も昼も夕方も声をかける暇さえ与えてくれない。


私と一緒にいたら、また同じことの繰り返しだと思って離れてることくらいわかってるよ。


わかってるからこそ………もどかしいんだ。