「ゴメンな、準備とか忙しいのに急に呼び出して」

明日の決勝戦に備え、早くに他の部員が帰った部室に中村とマネージャー崎本がいた。


「ううん、それは大丈夫だけど…どうしたの?」



「…マネージャー、オレと付き合ってくれよ」

「え…!?」


驚いた顔を浮かべた崎本だが、呼ばれた時からこう言われることも気付いてたんだろう、どこか覚悟してたような表情をすぐに浮かべた。

そして、告白された後の答えもまた考えていた。

「中村くん、私…」

「四宮て付き合ってるのは知ってるんだ」

中村もまたその答えを予測してマネージャー崎本の答えを遮った。
「じゃあ…なんで…」

「分かってるけど…好きなんだ」

崎本は中村の真っ直ぐな瞳から目をそらせなかった。

「…だからオレが明日の決勝でヒット打ったら付き合ってくれないか?」


「…中村くん、でも試合に出れるかどうか…」


「…」