「理沙~?」


玄関から中に向かって呼び掛ける。



理沙は一人暮らしだ。



「理沙~?大丈夫~?」



声をかけながら理沙の部屋の前に立つ。



「入るよ?」


ドアを開けると理沙はベッドに座っていた。


うつむいていて顔がよく見えない。



「理沙、大丈夫?」


声をかけるとゆっくりと顔を上げた。




理沙の目は……真っ赤に腫れていた。


彼女は一体どれだけ泣いたのだろう。



いてもたってもいられなくなって

理沙の小さな体を抱き締める。



「…愛花。ありがとうね」



あたしは何もしてあげれない。


なんで気付かなかった。

なんでもっと早く来なかった。


なんで……なんで……



「ごめん。…理沙…ごめんね。」


「なんで愛花が謝るのよ?来てくれただけで嬉しいのに」


「あたしは何もできない…!」



親友が苦しんでるのに

一人で泣いてるのに。





「愛花。話したいことあるんだ」





聞きたくなかった。






彼女のベッドの枕元の大量の薬と

痩せた彼女の身体が

悪い知らせだと告げていたから。