「思ったこと言ってるだけですよ」
「あー!もうほんと鈍感!!」
「なんなんですか」
自覚しろだとか鈍感だとか…そんなことないのに
「〜〜っ、もういいっ、食べよ!」
子供か
「……」
あ、結局教室でのこと聞けてない…
「あの、先輩ってクールですか?」
「え、クール?」
「教室で、お弁当断るの聞こえて」
「あー、クールというか、ちょこちゃん以外の女子は嫌いかな」
「え、」
冷たいなとは思ったけど、まさか嫌いだとは
「きゃーきゃー言われんのも嫌だし」
「…自覚はあるんですね」
「まああんだけ言われたらね、」
「まあたしかに…」
あんな煩いくらい叫ばれてたらわかるか
「俺別にいいとこないのにな〜」
そう言う先輩の目は少し寂しそうだ
「先輩は自分が嫌いですか?」
「ん?んー、前までは好きではなかったかな」
「前まで…?」
「うん、今はちょこちゃんが俺を見てくれて、俺を好きだって言ってくれるから、だから好きになれた」
私の目を真っ直ぐ見つめる瞳が熱っぽくて胸がバクバクする