「ほら、お前これ好きだろ」
そう言って差し出されたのはレモンティー。
「うん!大好き!ありがと!」
ここでレモンティーを買ってくるあたり、利世はやっぱりさすがだな〜とか思いつつ、お礼を言って受け取った。
そして利世は近くにいた真悠くんにもぺこりと会釈して、またわたしの方を向いた。
「茉乃、なにそれ」
「ん?あ、これ飴!」
さっき真悠くんにもらった飴を利世にもパッと見せる。
「これちょうだい」
利世はそう言ってパッと4つのうち1つの飴をわたしの手から取った。
「あ、ちょっと!」
「なんだよ、お前これあんま好きじゃないじゃん」
利世が取ったのはメロン味の飴。
何を隠そう、わたしはメロンはそこまで好きではない。
きっと利世は4つの色んな味の飴の中でわたしが苦手な味を見つけたから、それを取ったのだろう。
「それはいいよ、それはあげるけどだよ!」
「なに」
「それ真悠くんにもらったの!」
「あー、そうなの?もらってもいい?」
利世は真悠くんの方を向いてそう聞くと、
「あ、もちろんどうぞ」
そう言った真悠くんにわたしからもありがとうと言って、利世もさんきゅーと言いながらメロン味の飴を自分のポケットに入れた。