「いいって。お前注意されたと思ったら外で練習して疲れただろ。俺はほら、できる子だからさ?」


「あっそ。どうもあ・り・が・と・う!」



半分ヤケクソのお礼をしたけれど、あれが利世なりの気遣いだということはわかっているのでありがたく受け取って、近くにあったベンチに座る。


正直、無理矢理応援団にさせられて、一生懸命踊っていたのにもかかわらず怒られて疲れてしまった。というより少し凹んでいる。


利世はそれに気づいていながら、気付かないふりをしてくれているのだ。


なんてったって去年からの付き合いだから。



「はぁ…」



え?ため息なんてわたしらしくないって?


確かにみんなそう思うかもねぇ。


日頃あんなに真悠くんにアタックしては振られアタックしては振られ…。


それでもめげなかったわたし。それを見ていたらこんなことで?と思うかもしれないけど…。


でもそりゃ凹むよ!?わたしだって!!!


だって、応援団になりたかったわけではないけど、なったからには頑張ろう!頑張れそう!って思った矢先の出来事だったんだよ!?


せっかくやる気を出して楽しもうとしていた気持ちを、根っこから引きちぎられた気分だよ…。


わたしはこんなんでこの先応援団なんてやっていけんのかなぁ。


いや!やるしかないんだよ!茉乃がんばれよ!!


でもなぁ。この振り付け、応援団以外の子達に教えなきゃいけないんでしょ?今やっと覚えられたばかりなのに?え?無理じゃない??