「よかったね茉乃せんぱい!ハルと一緒じゃん!」
「そうなんだよ〜〜!」
瑞季くん、よくぞ言ってくれたよ。わたし今全力で誰かと喜びを分かち合いたい気分だもん!!
「でもどうなんだろ?応援団とか忙しそうだからなぁ…」
「…と、言いますと?」
なにやら少しだけ難しい顔をした瑞季くんに聞く。
「忙しいから、話す時間とかあるのかな?って」
「え……」
え、まって?せっかく同じ組になったのに、応援団だと話せないとかって言いたいのかい!?瑞季くん!?
「いや、そりゃね?話す時間くらいあるだろうけど!でも応援団じゃない人たちと比べると、ちょっと少なくなっちゃうだろうなぁって」
嘘でしょ…?誰か嘘って言って!
「わたし真悠くんと話せないとかショック死しちゃうよおお〜」
本気でそう嘆くわたしに、真悠くんはどこまでも冷静で。
「先輩大袈裟です」
まったくひどい話だ。少しくらいノリというものがないのかね?真悠くんの中にはノリというものは!
「ねぇ茉乃せんぱーい、こんな冷たい男のどこがいいの?」
笑いながら冗談半分でわたしにそう聞いてきた瑞季くんにわたしも冗談で返す。
「ほんとだよねー!どこがいいんだろ?」
「だってよ!ハル!いつまでもグズグズしてると愛想つかされるぞ!」
そう言った瑞季くんは、隣にいる真悠くんの肩をトンと叩く。
わたしは瑞季くんのテンションに乗って、叫ぶかのように真悠くんに訴えた。
「そうだよ!真悠くん!いつまでもそんなだと茉乃ちゃん離れてくんだからね!」
なのに、そんなわたしにも真悠くんは冷静。
「先輩うるさいです」
つまらない男だ。
それでも好きなんだけど。