「茉乃、お前また成瀬かよ」


「だぁーって好きなんだもん!しょうがないじゃん」



そう利世となんてことない会話を繰り広げていたとき、




ギャアァァァァ━━━(#≧∀≦)━━━!!!!!!!!!




廊下からとてつもない歓声が聞こえた。いや、悲鳴と言うべきかもしれない。


皆さん驚きました?


こんなことは日常茶飯事で、わたしはもう聞き慣れています。


どうせ今日も真悠くんたちでしょ。


"真悠くんたち"というのも、真悠くんとその親友、榛野瑞季(はるのみずき)。


この2人は仲が良く、2人ともイケメンでして。
真悠のハルと榛野のハルで"Wハル"とも呼ばれている。そのままじゃないか。ネーミングセンスの無さが光る。


毎日毎日、高1の女子を筆頭に4階で行われるWハル鑑賞会。
2年、3年の女子でわざわざ4階に駆けつける人もチラホラいらっしゃるほどだ。


おかげで4階から1階まで騒ぐ声は筒抜け。
キャーキャーキャーキャー騒がれちゃって。少女漫画なのか?そうなのか?



「ほーら、今日もだ。こんなに人気で。無理だろ」



うるさいなー利世は。


まあ…正論なんだが。