黒板の女子の欄に相原とこれまたでっかく書かれた。


先生への抗議を諦めたわたしは大人しく自分の席に座った。



「よーし!あとは男子だなー!誰かやりたいやついるかー?」



誰もやりたくないのか、先生と目が合わないように静かに顔を下げる男子たち。


なぜだ、クラスには少なくとも1人は、目立つ人はいるものだ。


もちろんわたしのクラスにだって何人かいる。いわゆる、パリピだ。


その人たちなら立候補してもおかしくない。



「5限始まるまであと1分しかないな。仕方ない」



そう言ってこっちに目を向ける先生。


わたしの隣にはこの期に及んで居眠りをぶちかますおバカさんが約1名。



「寝ているのが悪い。ということで男子は桐山で決定だ」



そうです。そのおバカさんの名は桐山利世。



「応援団は男子が桐山、女子が相原で頼んだぞ。相原、桐山が起きたら伝えておいてくれ」



先生がそう言うと5限開始のチャイムが鳴った。



「そうだ、言い忘れていた。応援団は朝集まったり、放課後残ることが多いからな。これも桐山に伝えておけ。忘れるなよ相原」



そう言って、先生は教室を出て行った。


あぁー、これか。パリピが立候補しない理由は。放課後残らなくては行けない。それに加えて朝もだと!?


そんなの誰もやりたくないに決まってる。


もちろん、正直言えばわたしだってやりたくない。


今わたしの隣で寝ている男も…やりたくなんてないだろう。