そんなこんなで、昼礼が行われているであろう教室に戻ったとき、


事件は起きた。



「相原、遅かったじゃないか。どこ行ってた?」



こういうときに上手く嘘がつける女に生まれていれば、こんなことにはならなかったかもしれない。



「え〜〜!!わざわざ言わすの〜〜?先生だってわかってるでしょ〜〜?」



先生は知っている。わたしが真悠くんのことが大好きだということを。そして、休み時間のほとんどを真悠くんに費やしているということを。


真悠くんのおかげでテンションがこの上なく上がっていたわたしは、黒板の文字を見ることなく、それを包み隠さず先生に話してしまったのだ。



「おーおーそうかぁー。相変わらず成瀬のところに行ってたのか〜」


「はい!!」



元気よく返事をしたわたしに先生は衝撃の一言を放った。



「よし!でかしたぞ相原ぁ〜!応援団、女子は決定だ!」



………ん?


謎の展開にふと黒板を見るとでっかい文字で書いてあった。



体育祭応援団決め!!!



と。



「え、えぇぇええええ!!」



驚くわたしに先生は怖いくらいの笑顔で言った。



「立候補がいなくて困ってたんだ。相原、やってくれるな?」


「え、でも、先生……「お前、成瀬のとこ行ってたんだよな?それで遅れたんだよな?」


「はい…」


「これからも成瀬と愛を育んでいきたいよな?」


「はい…」


「応援団、やるよな?」


「是非、やらせてください」



先生の圧に負けた瞬間だった。