「委員会のことで伝えることがあって来たんです」


「あ、あぁ〜!」



期待した分、少しがっかりした自分もいたけれど、急に納得してしまった。


よく考えればわかること。そりゃそうだ。真悠くんが何の用もなしにわたしのとこに来るわけなんてなかったじゃん!何を期待したの茉乃!だから期待しすぎだって言ったじゃんか!!



「委員会で何かあった?」


「しおりが作れるようになったらしくて」



その言葉を聞いて、さっきがっかりしたのが嘘のようにパァっと気持ちが明るくなる。



「しおり!?作れるの!?」


「はい。でも、ここ1週間くらい桜庭先輩が1人で作ってたらしくて」


「え!?琴ちゃん1人で!?」



いくらなんでも1人は到底無理だ。大変すぎる。それに…



「なんで言ってくれなかったんだろう…?一緒に作るから1人で無理しないでって言ったのに…」



琴ちゃんは他の人と比べると控えめで遠慮がちな所があるから、もしかしたら何か気を遣わせてしまったのかもしれない…



「この1週間、琴ちゃんとたまに会って話したりしてたのに…そんなに大変なこと1人でしてくれてるなんて気づかなかった…」


「…放課後、図書準備室でやってるそうなので」


「わかった!わざわざありがとう!」



委員会の話は終わったし、真悠くんの用事は済んだはず。


だからもうお互い教室に戻るのかと思ったけれど、真悠くんは動く素振りを見せない。