- - - - - - - - - - - -▷◁.｡



「ざぁーーぶぇぇぇーー」


「はいはい、わたしはざぶぇじゃない」


「うぅ……」



わたしは今紗枝の家にお邪魔し、ギャンギャン泣きついています。



「何があったの。成瀬くんのこと？」


「なんでわがっだのぉー！紗枝エスパーなのー？」


「急に電話してきたと思ったら、号泣しながら家行ってもいい？なんて。言われてすぐ成瀬くんのことだってわかったよ。どうせ鼻水でも垂らして泣いてんのだろうなぁって思いながら」



さすが紗枝だよ、よくわかってる。


でもさぁ、紗枝ちゃん？鼻水垂らしてるは余計じゃない？さすがに垂れてないよ！……たぶん。



「それで？どうしたの？」


「あのね……」



わたしはさっき起きたことをそのまんま紗枝に伝えた。



「で？なんでそんなに落ち込んでんの？」


「だって！真悠くんにあんな雰囲気で告白なんてしたことなかったし、泣くつもりなんてなかったのに泣いちゃったし……」



真悠くんといられる時間がすごく幸せで、でも切なくて、いろんな気持ちでいっぱいいっぱいで、なんだかあたたかくて…
気づいたら涙が出て止まらなかった。



「はぁぁ…ほんとになかったことにしたい…」



わたしがため息をついてそう言うと、紗枝は納得いってないらしく、首を傾けている。



「なんでよ？それっていいことじゃん。なかったことにするなんて勿体ないよ」



え？なぜ？まさか紗枝、望みがない恋は早めに終わらせた方がいいとか思ってる…？え？そういうこと？



「なんでよー！全然良くないよ！紗枝ひどいよぉ！」



ほんとに真悠くんが引いてたらどうしよう、そうわたしが半泣きで嘆いても紗枝は表情を変えない。