やった!真悠くんと一緒に帰れる!!
なんて、それはもう幸せで浮かれ気分だったというのに…
この今の状況はなに…?
学校から出てすぐ右に曲がった道。5mほど離れた所に大好きな背中が…
それはもう長い足を活かしてどんどん歩いていく。
わたしはきみとは違って短足なんだよ、真悠くん!!
さっきまで"置いていきますよ"とか言ってたじゃん!!なにが"置いていきますよ"だよ!置いてってるよもう既に!!
そんなことを思いながらわたしは真悠くんの隣に並ぼうと、この短足を精一杯速く動かす。
さっきまであんなに不満を並べていたというのに、段々と近づいていく背中を見れば、走れば追いつく場所に真悠くんがいるということにまたニヤニヤしてしまう。
そう。このニヤニヤがきっとダメだったんだ。
ニヤニヤしてまた幸せの浮かれポンチになるかと思ったとき、わたしの視界から突然真悠くんの背中が消えた。
代わりに凸凹したアスファルトの地面がわたしの視界に入り込み、顔にはジンジンとした痛みを残している。
どうやら盛大に顔から転んだらしい。せっかく真悠くんに追いつくところだったのにぃい!!