「真悠くーん!!」



2階から3階に上がる途中の階段でようやく追いついたわたしは息を切らしながらも真悠くんの横に並んだ。



「もー!なんで先にいっちゃうのー!」


「話してるみたいだったんで」



どうやら真悠くんなりに気をつかってくれたみたいだ。


昨日の傘といい、今といい、なんだかんだで優しくて気が利く真悠くん。


だから好きなんだよなぁ。


そんなことを思いながら、隣にいる真悠くんにメロメロになっていると、



「先輩」



まさかまさかの真悠くんからお声がかかったぁー!!!!


こんなことは滅多にない。いや、それどころか初めてかもしれないレベルだ。



「聞きたいことがあるんですけど」


「うん!」



なんだか嬉しくなって、思わず声が少し大きくなってしまう。