「昨日ね、わたしが傘忘れちゃったから貸してもらったの!」



わたしがそう言うとなんだか真悠くんから冷たい視線が注がれている気がする…


あれ?言っちゃダメだった…??



「え、なに?ハルが茉乃せんぱいに傘貸したの?しかもこのサイズの袋に入るってことは折り畳み?
なにハル…お前、折り畳み傘とかいつも持ち歩いてんの?」



真悠くんが折り畳み傘を持ってるということに異常にツボにハマりだした瑞季くん。


ケラケラと笑いながら真悠くんに質問攻めだ。



「置き傘だよ、置き傘!別に毎日持ち歩いてるわけじゃなくて、教室のロッカーに置いてあんの」


「さすがかよ〜準備万端だなおい!
んで?それを茉乃せんぱいに貸したんだ?なんで?」


「うるさい」



爆笑は少し落ち着いて、今度はニヤニヤしながらまたまた質問攻めの瑞季くんはどうやら真悠くんのことを完全に面白がってからかってるみたいだ。


どうやら真悠くんはその事がわかっていたから、言わないでほしかったんだろう。


ごめんね、真悠くん。普通にわたし言っちゃって。


でもわたし的には真悠くんと瑞季くんの仲良しトークが朝から見れて大満足!って感じだよ!!


そのままからかう瑞季くんとからかわれる真悠くんをしばらく親のような優しい目で見守っていたところ、



「「あっ!琴ちゃん(琴せんぱい)おはよー!」」



わたしと瑞季くんの声が重なった。



「え、あっ…おはよう…」



琴ちゃんは2人から一気に声をかけられてびっくりしてたけど、控えめでも挨拶してくれた。