「じゃあね、琴ちゃん!」


「うん、ばいばい!」



乗る電車の駅が違ったから学校を出て琴ちゃんと別れた後、ひとりで土砂降りの中を歩く。


スクバはこの短時間でもちょっと濡れてる。降り注ぐ激しい雫がスカートに勢いよく刺さってくる。


あちこちに水たまりがあって、ローファーの中に段々と水が入り込んできて靴下は濡れるしなんだか少し気持ち悪い。


だがしかし、わたしの心は晴れ空だ。


雨の道をひとり傘をさして歩くのって少しだけ寂しい感じがするけれど今日はそんなことはない。


だっていまわたしは、この土砂降りの中、真悠くんの傘をさしている。


いまわたしは真悠くんと共に歩いている!←え…?


この土砂降りからわたしを守ってくれてるのは真悠くんの傘!……傘?いや、真悠くんの優しさ。そう!真悠くんそのものなのだと言っても過言ではない!!

※かなり過言です。